EMBRYOSCOPEを使用して最適な胚選択を
『現在、タイムラプスは保険と併用可能な先進医療として認められています』
なかなか妊娠しないとお悩みではないですか?そんなあなたへ、ご担当の医師から体外受精(IVF)による不妊治療を勧められることがあります。このIVFは様々な理由により不妊でお悩みの方にこれまで数多く利用されてきました。この不妊治療には、赤ちゃんが誕生するために必要ないくつかの大切なステップがあります。そのうちの一つには、女性の身体から得られた受精卵(胚と呼びます)を安全で最適な培養環境で育てることが大切であると私達は考えています。この培養環境で胚を育てる事は、健康な赤ちゃんが誕生するために必要な選択肢です。EmbryoScopeインキュベータを使用した最適な胚選択には、いくつかのステップが必要となります。
ステップ1:胚の成長を見守ります
採卵し、複数の卵子が受精に成功した場合、2つ以上の受精卵を得ることがあります。これらの受精卵を2~5日間、培養室のインキュベータ内で発育させます。胚培養士が胚の発生を継続的に観察し、その後、胚移植に最適な胚を選択します。
ステップ2:胚の発育環境を乱さず培養します
培養2~3日目の「分割期」と呼ばれる段階に到達したとき、あるいは培養5~6日目の胚盤胞期に到達したときに胚移植を実施します。すべての胚が妊娠につながるわけではありません。それぞれ異なる胚の中から、より良好な胚を選ぶことで子宮への着床から妊娠に至る可能性が高まります。
従来の方法
胚培養士は、培養2~5日目の間にかけて3~5回ほど胚をインキュベータから取り出して観察し、複数あるチェック項目から胚の評価を実施していました。例えば、胚全体の細胞数や細胞分割の速度などを静止画像として観察していました。このような静止画像の撮影や評価を行う場合には、胚をインキュベータ内(安全な培養環境)から一時的にインキュベータから外に取り出すことになるため、胚の培養環境の変化や胚へのストレスを与えてきました。
胚に優しい方法
胚の培養環境の変化や胚へのストレスを与えない方法として、私達はタイムラプス撮影機能を利用することで、胚をインキュベータ内の安全な環境から取り出すことなく、胚発生の全ての過程を継続的に観察することができるようになりました。
カメラと顕微鏡を搭載したEmbryoScopeインキュベータが、胚培養士にかわり10分ごとに胚画像を自動的に撮影します。
胚をインキュベータ内に入れたまま、2~5日間の胚のタイムラプス動画が記録されます。
胚選択のための画像分析ソフトウェアを使用することで、胚培養士はタイムラプス動画を確認しつつ移植と凍結に最適な胚を選択します。
ステップ3:安全な培養環境を維持します
胚は培養の全期間を通して、EmbryoScopeインキュベータ内の安定した温度環境で保護されます。
ステップ4:最も着床と妊娠の可能性が高い胚を選択します
胚の発生初期に現れる現象を適切に確認することは、IVFラボで胚の着床ならびに妊娠の可能性の評価のために重要となります。
【従来の方法】で用いられてきた、ある一時点での静止画像に基づいた評価では、胚発生の過程で生じうる重大な出来事が見落とされてしまうことがありました。EmbryoScopeによる自動連続撮影を利用することで、このような見落としを避けることができます。
従来の静止画像による評価
静止画像による目視評価では卵割時に生じうる異常が見落されてしまうことがありました。卵割時の異常の代表例としては「direct cleavage 」が知られおり、これは通常の胚発生では1細胞から2、4、8細胞へと卵割が進むべきところを、1細胞から3細胞への卵割が起きてしまった場合などを指します。この現象は最大26%の頻度で発生し、胚の着床確率を大きく損なうことが示されています1,2。もう一つの代表的な卵割の異常としては、胚の細胞数が増加するのではなく減少してしまうことがあります。
また、従来の静止画像による評価方法では、細胞核の数に異常が発生した場合について70%以上が見落されていると考えられており、核数異常の発生は胚の着床率の低下との関連性があることが示されています3,4。
ステップ6:可能な限りの画像情報を活用します
どの胚を移植するのか?または将来のためにどの胚を凍結するのか?、これらの選択を行なう際に、胚培養士は胚の発生の全過程についてEmbryoScopeで撮影したタイムラプス動画による豊富な画像情報を活用することができます。
ステップ7:胚選択のための画像分析支援ソフトウェアを活用します
EmbryoScopeには、胚培養士の胚選択を支援するためのソフトウェアが付属しています。全世界で実施された何千周期分もの胚の画像情報に基づいて開発されたソフトウェアを活用して、より着床や妊娠成功率の可能性を予測することができます。
direct cleavageが起きた胚の画像
卵割時の異常が起きた胚の1例です。胚は1細胞から3細胞へと分割してしまっています。
胚盤胞までの胚発生
良好な胚が胚盤胞期に発生するまでを撮影した1例です。
EmbryoScopeの説明
こちらの動画から、EmbryoScopeインキュベータを用いた胚発生までの継続観察についての詳細をご覧いただけます。
EMBRYOSCOPEの利用による成功率の改善
タイムラプスを使用して培養した胚は、従来の培養方法と比べた場合、継続妊娠率の有意な改善、早期流産率の有意な低下、さらに生児出生率の有意な上昇と関連することが示されています5。
タイムラプスを利用した胚選択と生児出生率の改善
移植対象胚の選択法に関して、計5本の臨床試験の結果を統合して要約した論文(**)によると、合計1,637症例の記録から、EmbryoScopeを使用した場合の治療周期では従来の培養方法および評価方法の組み合わせに比べて、妊娠継続率と生児出生率について統計学的に有意な改善がみられ、また早期流産率の有意な低下と関連することが報告されています5。
*実際の改善幅などは個々のクリニックにより異なります。
**要約論文の出版時点までに発表された臨床試験の結果に基づいています。
世界中で最も広く用いられているEmbryoScopeインキュベータ
2009年以来、EmbryoScopeは世界中の100万症例以上の治療に使用されており、胚および新生児の健康の両方に対する安全性が報告されています6。
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『小さなタイムラプス動画の中で、胚として成長しているMaximの最初の姿を見たときのことは忘れられません。[...]今、彼は6ヵ月になりました。とても奇跡的です。』
EMBRYOSCOPEのご利用について
EmbryoScopeによる胚培養の詳細については、担当医師にもご相談いただき、皆様の着床や妊娠成功率改善の可能性についてより詳しい説明をいただくことをお勧めいたします。
参考文献
1. Rubio, I., et al., Limited implantation success of direct-cleaved human zygotes: a time-lapse study. Fertil Steril, 2012. 98(6): p. 1458-63.
2. Zhan, Q., et al., Direct Unequal Cleavages: Embryo Developmental Competence, Genetic Constitution and Clinical Outcome. PLoS One, 2016. 11(12): p. e0166398.
3. Ergin, E.G., et al., Frequency of embryo multinucleation detected by time-lapse system and its impact on pregnancy outcome. Fertil Steril, 2014. 102(4): p. 1029-1033 e1.
4. Desch, L., et al., Embryo multinucleation at the two-cell stage is an independent predictor of intracytoplasmic sperm injection outcomes. Fertil Steril, 2017. 107(1): p. 97-103 e4.
5. Pribenszky, C., A.M. Nilselid, and M. Montag, Time-lapse culture with morphokinetic embryo selection improves pregnancy and live birth chances and reduces early pregnancy loss: a meta-analysis. Reprod Biomed Online, 2017.
6. Insua, M.F., et al., Obstetric and perinatal outcomes of pregnancies conceived with embryos cultured in a time-lapse monitoring system. Fertil Steril, 2017. 108(3): p. 498-504.